弁護士が遺言を書くことをすすめる理由

昨年、会社を定年退職しました。まだ先のことだとは思いますが、今後、相続のことも勉強していこうと考えています。最も基本的な相続対策として遺言の作成があると聞きましたが、遺言を作成するメリットを教えてください。

相続・遺産分割における紛争の回避

遺産分割対策のうちで最も基本的で有効な方法は、遺言を書くことです。不動産に限らず資産をお持ちの方々には、相続人間の紛争が予見されなくとも、遺言を書いておくことをお勧めします。

たとえ自宅と預貯金だけの相続財産であっても、どう分けるのかがわからない状態で遺産分割協議を進めるよりも、故人の意思が明確な方が相続人も安心して遺産分割協議をすすめることができるでしょう。

遺言の話とは少し逸れますが、遺産分割協議が煩わしいから「とりあえず共有で登記しよう(した)」という方々が、後に共有不動産を巡るトラブルに巻き込まれることもあるのです。

自己の財産の整理

遺言を書くことを勧めるもう一つの理由は、遺言を書くつもりで専門家に相談することで、財産の内訳が明らかとなり、その中から、節税、納税資金確保、遺産分割対策の必要性が発見されることがあるからです。

時には、相続とは直接関係しない紛争の火種が見つかるかもしれません。

相続発生前に、自己の財産内訳を俯瞰し整理しておけば、相続発生後に、相続人が予期しない相続税の支払を求められたり、納税資金の確保に奔走したり、もしくは、法的トラブルを抱えた不動産を知らずに相続してしまったり、といったことを未然に防ぐチャンスとなります。

結果的に遺言を書く必要性がなければ、それはそれで良いこととして、遺言を書くつもりで専門家に相談してみる、という作業は是非検討してみてください。

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